キャッチボール

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「行くよ!」「強く投げないでね!」 <br />高校1年生の夏休みの後半、みんながひけた後、ひとりで網に向かって、ボールリリースの練習をしていた。 <br />そこにあかりがやって来て、キャッチボールをしようと言いだした。 <br />「こんなグローブしかないけど、チョット臭いかもしれないよ。」部室に入って先輩が置いていったグローブをあかりに渡した。顔にでも当てられたら困るので、僕の方は下手投げで投げてやった。 <br />ところがだ、あかりの返球に驚いた、結構なスピードボールを彼女は投げて来た。 <br />「スゲーじゃん!誰かに教わったの?」って聞いたら、亡くなったお父さんが野球が好きで、小さい <br />頃からキャッチボールをしていたらしい。だから野球が大好きなの!と彼女は言った。 <br />ひとしきり投げると、「一緒に帰ろう?」「じゃあ、かき氷食べてく?」「うん!」と大きな声で答えたあと、グローブをぬいだ手の匂いを嗅いで「臭い!」と叫んでいた。