ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調 Op.125「合唱」 第2楽章

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ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲第9番(こうきょうきょくだい9ばん)ニ短調作品125(ドイツ語: Sinfonie Nr. 9 d-moll op. 125)は、ベートーヴェンの9番目にして最後の交響曲である(第10番は断片的なスケッチが残されたのみで完成されていない)。
古典派の以前のあらゆる音楽の集大成ともいえるような総合性を備えると同時に、来るべきロマン派音楽の時代の道標となった記念碑的な大作である。
第2楽章は複合三部形式をとるスケルツォ楽章である。スケルツォ部分だけでソナタ形式(提示部反復指定あり)をとる。
序奏として、第1楽章を受け継ぐような、ニ短調の主和音の降下が、弦楽器のユニゾンとティンパニで出るが、ユニークなことに、主和音でニ短調を決定づけるF音のオクターブに高低2音ともティンパニが調律されている。(通常、ニ短調の場合、ティンパニはAとDに調律される。
ベートーヴェンは、既に第8番の終楽章(ヘ長調)で、Fのオクターブに調律したティンパニを使っているが、それはヘ長調の主音であり、この9番の楽章はより冒険的である)このオクターブの基本動機がスケルツォ部分を支配している。
提示部では冒頭にこのオクターブの動機を置いた第1主題が疾走するように出、フーガのように重なって増幅し、全奏で確保される。
経過句ののち第2主題に移るが、主調が短調の場合、第2主題は通常平行調(ニ短調に対してはヘ長調)をとるところ、ここではハ長調で現れる。
また、1小節を1拍として考えると、提示部では4拍子、展開部では3拍子でテーマが扱われる。展開部ではティンパニが活躍する。(このことから、この楽章はしばしば「ティンパニ協奏曲」と呼ばれることがある)再現部はオクターブの主動機をティンパニが連打しながら導く。(ティンパニ奏者が高いFと低いFを両端に配置した場合、この部分で非常に派手なマレット(ばち)捌きを見せる場合があり、演奏会では視覚的にも見所である)再現部がティンパニのロール調の連打を加えた強奏で戻ってくるところも第1楽章と類似している。最後、突然4分の4拍子となり、それが4分の4拍子の中間部(トリオ)を導く。
中間部(トリオ)の旋律もまた、最終第4楽章の歓喜の主題を予感させる。(スケルツォの第1主題も短調だが歓喜の主題に似ているといわれることがある。
これらは意図的でなく、単に同一作曲時の類似だといわれることもある)速度は更に速められてプレスト。
オーボエによる主題提示の後、弦楽器群のフーガ風旋律を経てホルンが同じ主題を提示する。フルートを除く木管楽器群の主題提示の後、今度は全合奏で主題を奏する。
三部形式後半のスケルツォは前半のリピート。
しかし最後にまた突然4分の4拍子となるので、中間部の旋律が顔を出してしまう。それに突然気が付いたように1小節全休符となり、スケルツォの最終部分で締めくくり直す。

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