国賓としてイギリスを訪問中の天皇陛下は、日本時間の24日、テムズ川の洪水を防ぐ水門「テムズ・バリア」を視察されました。水にまつわる問題の研究をライフワークとされている陛下。テムズ川はその研究の原点で、オックスフォード大学留学時代の思い出もある川です。
■天皇陛下 水研究の“原点” テムズ川へ イギリス留学時代の思い出の川
日本時間24日午後7時ごろ、天皇陛下が訪問されたのは、ロンドン市内を流れるテムズ川の水門「テムズ・バリア」です。
橋の上で青いヘルメットを被り、水門の仕組みや運用状況などについて説明を受けられました。カメラに気づくと、笑顔で手を振られる場面も…
北海とロンドンをつなぐように流れるテムズ川。「テムズ・バリア」は北海の高潮による洪水被害を防ぐため、1982年に作られた。世界最大の可動式の水門です。
開門しているときは、間を船が行き来しますが、門が閉じれば、防潮堤の役割を果たします。
1983年から留学したイギリス・オックスフォード大学で、「18世紀におけるテムズ川の水運の歴史」を研究されていた陛下。今回の訪問で、この「テムズ・バリア」の視察を希望されたといいます。出発前の記者会見では…
天皇陛下(19日の記者会見)
「水の恩恵を享受しつつ、災害に対応することは、歴史を通じた人類共通の歩みでもあり、各国の水を巡る問題を知ることは、それぞれの国の社会や文化を理解することにも繋がります」
陛下は、水を巡る問題の研究をライフワークとされていますが、その研究の原点ともいえるのがテムズ川。陛下にとって留学時代の思い出の川でもあります。
天皇陛下(19日の記者会見)
「今でも留学から帰国した後にまとめた研究論文を読み直すと、テムズとともに過ごした日々の記憶が、ありありと蘇ってきます。研究で疲れた私を癒してくれたテムズの緩やかな流れと、周囲の美しい景観、テムズを見ながら川沿いをジョギングした日々など、数え上げたらきりがありません」
天皇陛下は、日本時間の25日午後からはチャールズ国王夫妻による歓迎式典に出席されるなど、国賓としての行事が始まります。
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