ビッグ・バンとは~JDPアセットマネジメント株式会社の投資用語集
「ビッグ・バン」
ビッグ・バンとは、1986年10月、ロンドン市で実施された一連の証券取引制度の大変革を宇宙の創成に倣ってこう呼ぶ。
英国ではビッグ・バンと呼ばれる証券取引制度の大変革が実施されました。
ビッグ・バンの内容は多岐にわたりますが、その概要は以下の4つであるといえます。
(1)手数料自由化
株式売買の最低委託手数料制度を廃止。
(2)単一資格制度の廃止
変革前の英国の証券業者は、ジョバーとブローカーに厳密に区分けされていました。そのため、証券業者の規模はきわめて零細であり、証券会社の規模拡大と収益基盤の強化を図るため、ジョバー、ブローカーの兼業が認可されました。
(3)取引所の門戸開放
閉鎖的クラブ組織であった証券取引所の近代化を図るため、1982年4月、第1次開放として外部からの取引所会員企業への資本参加が29.9%を上限に認められましたが、1986年3月には上限を撤廃しました。
(4)SEAQシステムの稼働
取引のコンピュータ化を図るため、新たな証券取引システムSEAQ(Stock Exchange Automated Quotation)が採用されました。SEAQは、マーケット・メーカーの提示価格をコンピュータを通じて伝達し、それをもとに株式を売買する手法です。また、外国株を対象としたSEAQインターナショナルも同時に稼働しています。
ところで、ビッグ・バン前のロンドン市には、日米両国に見られるような大規模な総合証券会社が存在せず、機関投資家の成長に伴う、取引の大口化への対応が十分できにくくなっていました。このような国内業者に代わって、外国証券会社の活動は活発化しており、ロンドンにおける外国株の売買が増加する一方で、英国株自体の取引は米国へ流失するなど、国内市場空洞化の懸念が広がり始めました。
こうした機関化現象の進展や証券取引の国際化に対応し、生き残りの道をビッグ・バンに求めました。
参考:
http://www.hokenwelina.org/